戦争と地域社会
四国地域史研究連絡協議会などの主催でシンポジウム「近代四国における戦争と地域社会」が開催されました。太平洋戦争終結から65年、徳島県立博物館では特別陳列「海を渡った人形と戦争の時代」、図書館では企画展「図書委員が選ぶ戦争の本」など今年度の文化庁美術館・歴史博物館活動基盤整備支援事業「徳島平和ミュージアムプロジェクト」として種々のイベントが続いています。今回のシンポもそのひとつです。
高知大学準教授の小幡尚さんから「高知県における日露戦争戦没者慰霊」について、香川県立ミュージアム学芸員の野村美紀さんから「善通寺における乃木神社・護国神社の建設」の報告。
愛媛からは「戦略爆撃と中小都市空襲~第20航空軍による愛媛県への空襲を中心に~」と題して藤本文昭・今治明徳高校矢田分校教諭から映像も交えての報告。徳島大空襲は7月4日未明で、同日に姫路、高松、高知も空襲を受けていますがそれは決して偶然ではないとして、1940年の日本の国勢調査を元にした全国180都市の表の存在を挙げていました。1位東京、2位大阪と始まり徳島が37位、40位が高松、42位高知、43位姫路となっており、まさに戦略爆撃であったと指摘されました。
最後に徳島からは「戦時体制の進展と徳島の農村女性」について摂南大学の佐藤正志教授が発表しました。具体的活動を紹介しながら徳島における女性団体の設立と発展などについて述べ、戦争の被害者であったと同時に「翼賛」・総力戦体制の主体的担い手としての女性の姿を明らかにしました。
流石に歴史の研究家ばかり、本当に中味の濃い話ばかりで4時間があっという間でした。
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